「再エネ賦課金」とは、正式名称を「再生可能エネルギー発電促進賦課金」と呼び、太陽光発電や風力発電などの再エネの買取に必要な費用をまかなうための賦課金です。「賦課」は税金などを割りあてて負担させるという意味ですから、簡単にいうと実質的な税金と言えます。具体的には再エネ普及のための「固定価格買取制度(FIT制度)」を運用するために使われています。
再エネ賦課金の特徴
◎電気を使う人全員が負担する
◎全国一律の価格
また、不平等が出ないように
・電気利用量に比例して徴収する
・太陽光発電などの再エネ利用分には再エネ賦課金をかけない
というような借置がとられています。
そもそも「再エネ」とは??
再エネ(再生可能エネルギー)とは次のような特徴をもったエネルギーのことです。
◎化石燃料以外のエネルギーである
◎永続的に使える
◎どこでもエネルギーを得られる
◎CO2を排出しない
具体的には下記のようなものが再エネです。
◎太陽光 ◎風力 ◎水力 ◎バイオマス ◎地熱 ◎大気中の熱やその他の自然界に存在する熱 ◎太陽熱
他にもありますが、固定価格買取制度(FIT制度)の買取対象になっているのは上記の7種類です!近年、再エネが非常に重視されている要因は、主に2つあります。ひとつはCO2の排出を減らして地球環境を守るためです。もうひとつは、エネルギーの自給率の向上に有効であるからです。特に海外からの化石燃料に頼っている日本では再エネ普及が欠かせないのです。
固定価格買取制度(FIT制度)とは??
固定価格買取制度(FIT制度)とは、再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定期間、国が決めた価格(売電単価)で買うことを約束する制度です。FITで代表的なのは、太陽光発電で住宅用(10kW)は10年間、FIT制度を利用できます。
再エネ賦課金の最新状況
経済産業省は、2024年度の再エネ賦課金単価を3.49円/kW(キロワット時)にすると決定しました。前年度より2.45円/kWhの値上げです。再エネ賦課金の単価は、買取価格等をふまえて年間でどのくらい再生可能エネルギーが導入されるかを推測し、毎年度経済産業大臣が決めます。
再エネ賦課金の仕組み
① 再エネ発電事業者が再エネで発電した余剰電力を電力会社に売る
② 電力会社は再エネ賦課金を含めた金額で電気を買う
③ 電力会社一般送電網を介して家庭や企業などに電気を提供
④ 利用者は電気利用料に応じて、再エネ賦課金を含んだ金額を電気会社に支払う
⑤ 利用者からの再エネ賦課金を取りまとめた電力会社が国に再エネ賦課金を納付
⑥ 国は電力会社へ交付金(再エネ買取に要した費用)を支払う
したがって、再エネによる発電量が増えるほど、必要となる再エネ賦課金も増えるという仕組みです!!
再エネ賦課金の計算方法
※再エネ賦課金の合計を求めるには、現在の単価を調べる必要があります。
【2024年4月現在】を例にとって、1ヶ月の再エネ賦課金を計算してみます!!
再エネ賦課金で知っておきたいこと
再エネ賦課金は、電気を使ったら利用料に応じて必ず支払いが発生するものです。ですので、水道光熱費などと同じく、なるべく節約したい費用です。再エネ賦課金は、再エネが普及するほど上がる傾向があり、今後も上昇する可能性があります。実際、再エネ賦課金の上昇に備えるために太陽光発電の導入を検討する企業や個人のお客様が増えています。
再エネ賦課金に関する疑問 Q&A
Q.再エネ賦課金はいつまで続くの??
再エネ賦課金をいつまで続けるかについて、国の公式な発表、見解はありません。2024年現在でも、FIT制度があることから、少なくとも産業用太陽光発電の買取期間である20年先(2044年)までは再エネ賦課金が続くでしょう。
再エネ賦課金は、年々上昇傾向にあり国民の負担となっています。環境省は下のグラフのように2030年のピーク時に再エネ賦課金が2.61円になると予想していましたが、2024年現時点で3.49円であり、すでに高位の予想を上回っています。
電気中央研究所(※ 電気事業に関連する化学技術・経済・政策の研究開発を行う研究機関)は、2030年時点での再エネ賦課金は、約3.5~4.1円/kwhになると予測しています。企業としても、個人としても再エネ賦課金の上昇に備えて、何らかの対策を検討するべきタイミングと言えるでしょう。
Q.再エネ賦課金を払わないことはできる?
再エネ以外の電気を利用した場合は、「再エネ賦課金を払わない」という選択肢はありません。経済産業省は ”電気を使うすべての方にご負担いただくものです” と述べています。現実的に考えても電気料金の未納になって電気を利用できなくなるため、拒否することはできないでしょう。
しかし、再エネで発電する、あるいは再エネで発電した電気を購入すれば、再エネ賦課金をなくす、減らすことは可能です。例えば、一般家庭に太陽光発電設備を設置する方法があります!
まとめ
ほとんどの国民が電気利用量に応じて毎月負担しているのが再エネ賦課金です。CO2排出による地球温暖化を防ぐためには、再エネ普及が必要ですが、なるべく負担は抑えたいものです。ただ、再エネ賦課金は年々上昇しており、2030年までは上がり続けると予想されています。つまり、現在は、再エネ賦課金がかからない太陽光発電システムの導入をするメリットが大きい時期なのです。太陽光発電システムには再エネ賦課金のカットだけでなく、脱炭素化や非常用電源としての活用など他のメリットもあります。電気代は年々上昇しておりますので、この機会に太陽光発電・蓄電池システムの導入を検討されてみてはいかがでしょうか?